PROJECT 05

物件と共に成長する
KJRMの運用力

地方都市にありながら、年間約1,500万人の来観客数を誇る商業施設「mozoワンダーシティ」。継続的なリニューアルや、テナントリレーションの構築、DXへの取組みなど私たちは長期間にわたりこの物件と向き合い共に成長してきました。その成功体験は他の物件へと引き継がれ、運用力の更なる進化を続けています。

CHAPTER 01人が集まる場を再設計する

名古屋市に所在する「mozoワンダーシティ」。この物件との出会いは、2005年に遡ります。当時、「ワンダーシティ」と呼ばれ、1994年竣工の「ワンダーシティ本棟」と1972年竣工の「ワンダースクエア棟」を中心に全12棟から構成されていました。また、敷地内には敷地面積約33,000㎡の住宅展示場跡地がありました。

ワンダーシティ本棟
〈ワンダーシティ本棟〉
ワンダースクエア棟
〈ワンダースクエア棟〉

取得当初から、土地の遊休スペースを活用したバリューアッププランを検討し、全面的な再開発こそがこの施設の価値を最大限に引き出せると考え、建物に関する基本計画や新しい施設名称のブランド計画を進めていました。
しかし、取得時に想定していなかった法律の制定により、再開発についてはデベロッパーに委ねることが最善と判断。2007年、当時の親会社であった三菱商事株式会社へ譲渡することとなり、その後、同社の開発を経て、2009年現在の「mozoワンダーシティ」が誕生したのです。

CHAPTER 02鮮度を保ち続ける努力

日本リテールファンド投資法人(JRF:JMFの旧商号)は、本物件を2011年から2015年に4度に分割して再取得しました。
再開発により、店舗面積は約2.7倍の約13万㎡、テナント数は25テナントから約220テナント、駐車場台数も2.1倍の約5000台となり施設全体が大きく進化していました。

mozoワンダーシティ竣工時
〈mozoワンダーシティ竣工時〉
2009年竣工時
〈2009年竣工時〉
2015年リニューアル時
〈2015年リニューアル時〉

私たちの役割は、単なる取得では終わりません。
取得後からは運用力を発揮する場となります。周辺の競合環境や利用者のニーズの変化を捉え、継続的にリニューアルを計画し施設の鮮度と価値を保ち続けるための努力を日々行う。こうして、施設への認知度が高まり、集客力が高まり、施設の評価向上につなげています。

繊研新聞社主催の「テナントが選んだデベロッパー大賞」で敢闘賞を受賞し、同賞の常連として知られる存在になったことも、その成果の一つです。
そして、かつては振り向いてもらえなかったテナント様が、今や「mozoだから出店したい。」に変わった時、単なる商業施設から、選ばれる場所へと成長したと実感するのです。

CHAPTER 03時代の変化を捉え、データ基盤を構築

2017年秋、運用力を更に強化するためには何が必要か。
日々の運用の中で考え続けていたとき、施設にアプリ導入しようという話が持ち上がりました。当時はまだショップカードやポイントカードが主流であり、テナント様ごとにアプリを取り入れる動きが出始めていましたが、まだ施設全体のアプリを入れるのは稀有だった頃、時代の変化を敏感に捉え、私たちの検討が動き出しました。今まで未知だったデジタルの世界。技術面のみならず、デジタル情報の価値をどのように測定し、投資採算性をどう判断するか。ベンダー様やPM会社様、販促企業様、テナント様など多くの関係者と協力しながら、何度も議論と検討を重ねました。
そして2019年、ついにmozoアプリがリリースされ、これを機に私たちのDX化が加速していくことになったのです。

mozoワンダーシティ
〈mozoワンダーシティ〉

アプリの導入により、多様なデータの収集が可能となりました。この成功体験は他の物件へも共有され、アプリ導入施設を増やしています。加えて、元々各物件で持ってい売上データや、一部の物件で取り入れていた入館者数や顧客の動線などの人流データなど、長年の運用経験により蓄積されていた膨大なデータは、それまで個々の物件という「点」で管理されていましたが、アプリをきっかけとしてCDP(Customer Data Platform)という統合データ基盤を構築したことで、ポートフォリオ全体で情報を集約できるようになりました。これにより、高度な分析や活用が可能となり、施設運営の分析力や運用力を格段に高めています。その結果、売上拡大や業務効率化によるコスト削減が実現し、ファンドの収益性向上に貢献しているのです。

私たちには、膨大なデータ活用と現場で培われた長年の経験という他にはない運用の強みがあります。変化の激しい時代においても、確かな分析力と柔軟な発想で課題を乗り越え、テナント様と共に集客や売上を拡大させる取り組みを行う。そんな資産運用会社は稀有なのではないでしょうか。
「mozo(もぞ)」の名前の由来は、は何かが動き始めるときの音。生命の胎動。
そこに存在する施設が地域と共存し、人を惹きつけ、成長していく。
私たちもまた、新たな価値の「胎動」を感じながら、常に変化を恐れず、成長を続けていきます。